きみいろの夢を見る

きっとオレンジ、でもカラフル

マシェリ、君と夢が見たい

 

わたしは昨年素敵な女の子を見つけました。

 

とてもとても、キラキラと輝いて、
まるで星のような、でも花のような、それでいて宝石のような、
わたしにとって特別な女の子です。

いつの間にか、わたしの特別になっていた女の子。
すごく長くなるけれど、彼女の話をさせてください。

 

それは8月、昼から夜まで放送された音楽番組を、
終わらない宿題をしながら見ていたときでした。

アイドルたちがビーチで踊る。目の保養でしかありません。
課題なんてそっちのけ。
テレビの中で踊る、同世代のキラキラした女の子に夢中でした。

ふと懐かしい曲が流れました。
そのとき思ったのは「今はこんな感じなんだ」ということと、
「衣装かわいい」ってことでした。

もう誰も知らなかったし、わからなかった。
数年前に見たことがあったはずなのに、
ちっとも覚えていませんでした。
もっとずっと前、わたしが小学生かそれ以下のころのことも、
記憶になんてありませんでした。
それなりに好きだったはずなのに。

まるで違うグループになったような女の子たちは、
他のアイドルよりずっとずっと古い歌を歌って、踊る。

古いのに、少しも色あせてなんかいない歌。
ふわふわのかわいらしい衣装。
楽しそうに歌って、踊って、笑う彼女たち。

少し気になっている自分がいました。
YouTubeに公式アカウントあるかな、なんて思いながら、
彼女たちのグループの名前を思い浮かべました。

 

彼女たちの名前は、モーニング娘。’16

 

その日の夜。アイドルたちのメドレーが始まる。
往年のアイドルのカバー曲。生歌。

ちょっと下手でもご愛嬌、ご愛嬌。そんなものじゃないか。
かわいければ、ある程度なら許せちゃうんだもの。

そうしてあの子たちの番がくる。

全員が横一列に並んでスタート。
そして前から3人・3人・3人・2人で並んでAメロ。

最初の3人。うん、かわいい。歌も上手だ。
次の3人。ここもかわいい。レベル高いんだなあ。
その次の3人。かわいいしか出てこない。右の子、いいかも。
最後に2人。ハモれるのかあ。かわいいし、すごいなあ。

サビに入る。こんなグループになってたんだと思いながら見入る。

ふと、ひとりの女の子のアップが映る。

 

「あ、好き」


まさにイチコロでダウンでした。
そしてその後の歌詞通り、彼女に彼女に溺れて今があります。

彼女の名前は、工藤遥

彼女を好きになってから半年と少しほど、
その間は彼女のことを好きになるばかりでした。

そんな中で発表された彼女の今秋での卒業。
ショックでした。けど、なんだか吹っ切れたような自分もいました。
「なんとしてでも会いに行ってやる」
「彼女がアイドルとして最後に見る景色の一部になりたい」

きっと彼女が卒業するって言わなかったら、
わたしはそう告げられるまでいつまでも彼女を見に行こうとはしないだろうと思う。
まだ先だろう。だってほら、年下の女の子だもの、なんて言って。
卒業発表を聞いてようやく決心しました。会いに行こうと。

わたし、今日から工藤遥のファンになります。ならせてください。
あと半年だけでいいから、モーニング娘。工藤遥ちゃんに夢を見たい。

彼女と夢が見たい。きらきら、オレンジ色の夢を。
醒めたって構わない。忘れたりなんてしないから。
そうしたらわたしはまた彼女に新しい夢を見る。きっと素敵な夢だろう。

わたしにとって気になるあの子だった彼女は、
わたしの大好きなアイドルになった。
そして、次は愛しの女優さんになるのです。

そんな過程を少しでも、この目で見たい。焼き付けたい。
だから彼女のファンを始めます。彼女に会いに行きます。

5月18日、わたしが彼女のファンを始めた日。


マシェリ、わたしの愛しい人。それが工藤遥です。